BDHQサポートセンター宮原富士子氏のセミナー予定

2016年1月27日(水)夕刻に大阪グランフロントにあるナレッジキャピタルにて宮原富士子氏のセミナーを開催します。話題は氏が理事長をしておられるNPO法人HAP(Healthy Aging Project for Women)の活動の数々のエッセンスを紹介頂きます。女性の生涯を通じての健康維持の知恵などを科学的に、薬剤師としての知識をベースに紹介頂くことになると予想しています。HAPセミナーでは女性が対象ですが、女性が健康であれば、必然的に男性も健康を維持できると思われますし、逆もまた然りです(?)。ただ、内分泌学的には、男性に比べて女性はホルモンの大波小波にさらされ、ときには劇的な変化を体験されます。そして、なおかつ男性よりも元気で長寿で、とても不思議な気持ちがします。単なる生殖生物学的な面だけではなく、ここまで進化したヒトのエピゲノムの絶妙さにひたすら驚異を感じています。今回は少人数のセミナー&意見交換会なので、人数制限がかかっておりますが、ご興味あるお方はお問い合わせください。では、良いお年をお迎えください。

″Oh Bento Labo″ by 松本希子さん

これは、お弁当コンシェルジュである松本希子さんがFacebookページのコミュニティ―として始められた日本全国の様々なお弁当の集大成です。よく見ると海外からのお弁当も収録されています。松本さんとのご縁は国連大学で開催されたWhy we should study foodのフォーラム(11月11日)後の懇親会でした。偶然にもご近所さんというご縁もあり、先日は南堀江の某カフェで意見交換しました。その折に贈呈された「みんなのOh! Bento」を拝読し、色々と思いついたことをUpして行こうと思いました。まずはそのThree Major Pointsです。

1)最初に結論です。「限られたSpaceをアレンジする」というコンセプトを感じることができ、生け花に通じるものがあります。一方は美意識であり他方はこれプラス食というアートです。一定の容積の箱(Box)と言う限られたスペースにこれらをどう入れ込むか、と言う発想に立つととても創造性の高い作業となることを認識しました。

2)武田英二先生の「ストレスを消す食事」を思い出し、「ストレス解消弁当」を企画してはどうでしょうか。

3)Health Scientistとしてコメントしようと思うことは殆どカバーされていることが分かりました。欲を言えば、佐々木敏先生の栄養疫学的コメント(囲み記事)があるVersionも考えて頂ければと思う次第です。

ではまた、忘れた頃に。

食品とエビデンス

食品の機能性表示以来Evidence-Based Nutritionが重要視されています。このEvidenceを支えるモノは科学論文です。このセミナーでは論文と言う実験研究発表の場について初心者の方々向けに食品化学学会と共催で基礎セミナーを開催します。日時は2016年2月13日(土)の午後1時から、津駅隣接のアスト津で行います。実験研究や論文(発表)に関わっておられる方々、特にこれから論文を書こうと思っておられる方には是非ともご参加ください。基礎セミナー趣旨プログラム案内(11.25.15)

食品科学研究のための基礎セミナー:楽しく論文を書きませんか(1)

食品化学学会・奥伊勢BSC共催セミナー開催のお知らせのFirst Circulationです。
セミナーの大テーマは“食品科学研究のための基礎セミナー:食品とエビデンス”です。

【主催】  日本食品化学学会と一般社団法人奥伊勢バイオサイエンスセンター(奥伊勢BSC)の共催

【開催概要】
・日 時: 2016年2月13日(土) 13:00~17:00(予定)
・場 所: 津駅隣接の「<a href=”http://www.ust-tsu.jp/access_parking/index.html”>アスト津</a>」(津駅には名古屋から1時間、大阪から1.5時間)
・参加費: 個人/団体会員(日本食品化学学会・奥伊勢BSC):1,000円
公的試験研究機関(非会員):2,000円
大学(非会員): 5,000円
企業(非会員):10,000円
・参加申込:日本食品科学学会HP http://www.jsfcs.org/ あるいは奥伊勢BSC事務局 s.takizawa@tsuji-seiyu.co.jp よりお申込み下さい。(定員50名。定員に達し次第受付終了)

食品とEvidence

Evidence-based Nutritionがいかに重要か、東大・佐々木教授著の「栄養データはこう読む!」をざっと読むだけで分かります。このEvidenceとは何でしょうか。端的に言えば科学論文です。それも査読されたうえでJournalに出ている論文です。一方で、論文?どうやって書く? という声を耳にする機会が増えています。どうやら、食品科学関係の若手の方々の間では論文書き環境が十分ではないようです。そのまた一方では、機能性表示食品が市場に出回って半年になろうとしています。表示の根拠はEvidenceであり論文です。論文は「実験研究した結果をまとめる」という観点からすると書くことが一義的に重要ですが、読み込んで嘘を見つけなければならない世情でもあります。こういった状況を背景に国衛研(国立医薬品食品衛生研究所)の先生方、食品化学学会の先生方と「食品科学研究のための基礎セミナー:食品とエビデンス」を企画中です。コメントなど頂ければ嬉しいです。

栄養データはこう読む(佐々木敏先生の栄養疫学)から(3)

松永和紀さん著「メディア・バイアス:あやしい健康情報とニセ科学」(光文社新書)は元毎日新聞社の記者として活躍された女性ジャーナリストで、この著書で科学ジャーナリスト賞を受賞されました。佐々木先生も表題の著書で「情報バイアスと言う落とし穴」として情報バイアスとその怖さについて最後の締めくくりとして取り上げておられます(p.296)。—関わる要因としては①研究者(情報の生産者)、②売り手・マスコミ(情報の伝達者)、③読者・視聴者(情報の利用者)、の三点があり、これら皆が情報バイアスを生み出し、広めている。健康を支える「食」の情報なので、それぞれの立場で情報バイアスの存在に注意し、バイアスの発生源や伝達者にならないように注意しなければなりません。本物を追求するGEN srlを主宰する(CEO)Saito Yukakoさんのことも気にしてみてください。 http://www.gen.education/ja/

栄養データはこう読む(佐々木敏先生の栄養疫学)から(2)

p.4の「EBN(*)と栄養疫学」から引用、改変—人間栄養学の基礎知識と栄養健康情報を正しく取捨選択できるすべを身につけておれば、幾つかの病気を防ぎながら毎日の食事を楽しむことができるはずです。でも人間栄養学のどの情報がどのような研究によって明らかにされたものであり、どれがそうでないかを見分ける方法を身につけていません。教わっていないからです。

(*)EBN:Evidence-based nutrition(根拠に基づく栄養学)

栄養データはこう読む(佐々木敏先生の栄養疫学)から(1)

佐々木先生は「2015年版日本人の食事摂取基準」のWorking Teamのリーダーです。このダイジェスト版は既にUpしております(7月9日づけ)。表題は先生の最近の著書(女子栄養大出版部)です。内容のカギは根拠に基づく栄養学(EBN: Evidence-based Nutrition)で、食習慣(栄養素摂取量)と健康状態との関係を調べた研究結果です。以下は、油に焦点を合わせた栄養疫学Q/Aの抜粋で、脂と健康に関する短絡思考の誤りを科学的に説明しておられます。先生はBDHQという食習慣調査の開発者でもあり、これがきっかけで斎藤先生と松尾とも接点があります。
・では、どの植物油で揚げるのがよいでしょうか?
日常的に食べている揚げ物の揚げ油ではコレステロールは上がらない!
 (p.41を参照)
・高中性脂肪には脂質を控えればよいか?
炭水化物を控えて脂質を増やす!
注:炭水化物、脂質、蛋白質はエネルギー(カロリー)源になる栄養素です。アルコールもそうです。なので、どれでも必要以上に食べればその分は肥満に繋がります。但し、同じ重さならば脂質が最も肥満に繋がります。1gあたりのエネルギー量は炭水化物や蛋白質の2倍以上あるからです。
(p.58を参照)
(続く)