「ホモ・デウス」(Homo Deus)ピックアップ(1)

「サピエンス全史」の著者であるYuval Noah Harari(ユヴァル・ノア・ハラリ)が描く《テクノロジーとサピエンスの未来》と表現できる著書「ホモ・デウス」からのPickupその1です。

¶人間は幾世代にも渡って、飢餓と戦争と疫病のせいで膨大な数の人々が命を落としてきた。これとの戦いは功を奏して今日、食べ物が不足して死ぬ人の数よりも食べ過ぎて死ぬ人の数の方が上回っている。今や、この先の私たちの身の処し方として「《バイオテクノロジーと情報テクノロジー》がどれほど巨大な力を私達に与えてくれているか」という前代未聞の問いかけを自らに向ける必要性に迫られている。 

¶これは「サピエンス全史」で記述されている認知革命と密接に関係する。つまり、7万年前に起こったとされる「フィクション(存在しないもの)を信じる能力」によって人間は他の生物には見られないほどの大規模な社会的協力が可能になった。これがあってその先に農業革命と産業革命という二つの革命が起こった。—このようなストーリーで如何に人間が人間らしくなったかという物語の展開となっている点に特徴があります。その2では生物学的貧困線に触れられており、これを紹介したい。