weblog:先制医療と食(2)

動機づけの話です。ライフスタイルの変容(例:食習慣などを変える)は、そんなに簡単ではありません。例えば、肥満傾向の人に喫煙での心筋梗塞を予防するために禁煙を勧めても喫煙者の全員が心筋梗塞を起こすわけではないので、治療者側には迫力はなく、患者は患者で自分を適用外において、つまり「自分には鉄砲の弾は当たらない」と思い込み、禁煙しません。自分のデータが反映されているのかどうか分からない多くの人に、危険因子を避けて先制的に疾患を予防しようとする動機づけをするのは容易なことではありません。その人の(個々人ごとの)データで、その人ごとに何らかの〝褒賞〟が必要となります。などなど考えていると、先制医療による医療費の抑制と言う経済効果は本当にあるのかな、などと気になっています。勿論、医科学の進歩になることは間違いありません。