栄養データはこう読む(佐々木敏先生の栄養疫学)から(1)

佐々木先生は「2015年版日本人の食事摂取基準」のWorking Teamのリーダーです。このダイジェスト版は既にUpしております(7月9日づけ)。表題は先生の最近の著書(女子栄養大出版部)です。内容のカギは根拠に基づく栄養学(EBN: Evidence-based Nutrition)で、食習慣(栄養素摂取量)と健康状態との関係を調べた研究結果です。以下は、油に焦点を合わせた栄養疫学Q/Aの抜粋で、脂と健康に関する短絡思考の誤りを科学的に説明しておられます。先生はBDHQという食習慣調査の開発者でもあり、これがきっかけで斎藤先生と松尾とも接点があります。
・では、どの植物油で揚げるのがよいでしょうか?
日常的に食べている揚げ物の揚げ油ではコレステロールは上がらない!
 (p.41を参照)
・高中性脂肪には脂質を控えればよいか?
炭水化物を控えて脂質を増やす!
注:炭水化物、脂質、蛋白質はエネルギー(カロリー)源になる栄養素です。アルコールもそうです。なので、どれでも必要以上に食べればその分は肥満に繋がります。但し、同じ重さならば脂質が最も肥満に繋がります。1gあたりのエネルギー量は炭水化物や蛋白質の2倍以上あるからです。
(p.58を参照)
(続く)